兆候
コロナ禍で丸2年、母に会えないうちに急に老け込んだなとは感じていた。
そんなものなのかと寂しく思いつつ、心のどこかで嫌な予感がしていて、気付かないふりをしていた。まだ家は片付いてるよね。ババ抜きはできるよね。
でも、子どもたちに誘われても新しいカードゲームは覚えようとしない。年賀状の字と文章が何だか雑になっている。
いやいや、気のせい。そう思い込むようにしていた。
今になって調べてみると、やはり兆候はあったんだなと認めざるを得ない。
アルツハイマーを発症すると顔が急に老け込むと知ってゾッとした。
また、発症するずっと前から嗅覚障害が出ることもあるらしく、それもぴったり当てはまっていて、病気の裏付けとなるエピソードがどんどん出てきている。
ふとした瞬間に自分のメンタルがどん底まで落ちてしまい、気分の浮き沈みが激しい(いや浮くことはないけど、人と会ってるときは気がまぎれる)
早期発見したからと言って治療法があるわけではないのだけど、割と早い段階で病気が判明したのではないかと思っている。
母はちょうど会えない間に、高血圧で朦朧として服薬開始したり(2020年早春すなわち2年前)、家の中で転んで外傷性くも膜下出血になったり(2022年1月すなわち2ヶ月前)、脳へのダメージが続いていた。ひとり暮らしなので助からなかった可能性もあっただろう。でもその都度、自分ですぐに知人を呼ぶことで迅速にかつ適切に病院に繋がることができていた。
そうやって奇跡的に回復してきてからの、とどめのような今回の診断だけれど、脳神経外科専門の主治医がいたことで物忘れ外来でもスムーズに対応してもらえたようだ。