恐怖の正体

何を一番恐れてるのか?正確には、母の最期ではない。

身体が元気なまま、知性と尊厳が失われることが怖い。母が自分よりも幼くなっていくのが怖いのだ。

他の病気だったらどうか?は想像してみても分からないけれど。何かあるとしたら癌かと思っていたし、その覚悟はできていた。

 

母はもともと能力に凸凹があった。特に算数が得意で、買い物をしながら消費税3%の計算ができた。知的なことに興味があり、絵を描くことも好きだった。本人によると霊感もあるらしい?一方で、若い頃から火を付けっ放しにして鍋を焦がすなど、料理は苦手だった。家電も説明書を読まずに適当に使ったり、お金の管理もルーズだった。

なので私も、年末年始の帰省の際に少し違和感を抱きつつも「こんな母だから」と、加齢のせいだから大丈夫だと思っていた。

 

頭の中は目に見えない。いつ、どの機能が失われるのか分からない。徐々に進行する病だからこそ、毎日そばにいられたら良いな。

3月2日に診断を知って以来、毎日電話をかけるようにしている。今日は一時間も話した。とても元気で、旅行にも勉強にも前向き。

当事者の母に励まされて、恐怖が少しやわらいだ。ありがとう。